「Search & Destroy」[ 9/29 (fri) – 10/15 (sun) ]


 

 

検索エンジンによるイメージの結果から、再構と破壊を試みる現代美術家、計5名によるグループ展「Search & Destroy」を、9月29日 (金) より10月15日 (日) まで開催いたします。TAV GALLERYでは初となるアート・アドバイザー佃義徳による企画展であり、出展作家となる岩岡純子、JOKAI、末永史尚、竹内公太、渡辺篤の計5名の展開に、是非、ご期待ください。

 

「2017年時点で生活に欠かせないネットの検索機能は、現代人の認識や思考活動に影響を与え、その影響を受けていないアーティストは少ないかと思います。あまりにも日常的になり過ぎた検索機能とその結果は、時期、場所、人によっても結果が変動し、間違いを含んでいるにも関わらず、多くの人にとってなくてはならない一つの指針となっています。

これは、現代人のPCやスマホの端末というある種の車窓から見る移ろいやすい風景のようなものです。何をサーチして何が見え、何が認識されるのか、さらに破壊されるものは何か、世界中で常時繰り返される膨大な数のサーチの一部を作品に取り入れた作家による作品展示です。」(本展キュレーター 佃義徳)

 

一つのプラットフォームや検索エンジンを通し、個人に基づくあらゆる情報が中央集権的に溜まり続ける中、現代美術により情報の価値を捉え直します。展覧会タイトルはベトナム戦争中にアメリカ軍の総指揮監ウィリアム・ウェストモーランが遂行した戦術「サーチ・アンド・デストロイ作戦」から引用されています。

 

TAV GALLERY STAFF

 


 

開催概要

名称 : Search & Destroy
会期 : 2017年9月29日 (金) – 10月15日 (日)
会場 : TAV GALLERY (東京都杉並区阿佐谷北1-31-2) [03-3330-6881]
時間 : 13:00 – 20:00
休廊 : 水曜、木曜

出展作家 : 岩岡純子、JOKAI、末永史尚、竹内公太、渡辺篤
キュレーター : 佃義徳

協力 : Maki Fine Arts、SNOW Contemporary

Openning Party : 9月29日 (金) 18:00 – 20:00

 


 

アーティストプロフィール

 

 

「流行によって作り出される美と美術作品等に見られる普遍的な美を照らし合わせた時に生まれる違いやずれ、または一致点に私たちは何をみるのかということを考え制作しています。」(佃義徳)

 

岩岡 純子  Sumiko Iwaoka

1982 千葉県生まれ
2009 東京芸術大学大学院美術研究科修了

主な個展

2014 「ヒロイン展」SANBANCHO CAFE、東京
2013 「美人画展」3331GALLERY、東京

主なグループ展

2016 「TRANS ARTS TOKYO 2016 -UP TOKYO」神田、東京
2016 「HOMMAGE」Sansiao Gallery、東京
2016 「Who By Art vol.5」西武渋谷、東京
2015 「3331 Art Fair 2015」アーツ千代田3331、東京
2015 「DANDANS in Frederick Harris GalleryTokyo American Club」東京
2015 「岩岡純子 | 宮川ひかる」 Tokyoarts Gallery、東京
2014 「3331 Art Fair 2014」アーツ千代田3331、東京
2013 「Energy for us 」ヒルサイドフォーラム、東京
2011 「粟島 AIR」粟島、香川
2011 「Hierher Dorthin」ドイツ文化センター、東京
2009 「真夏の夢」椿山荘、東京
2008 「サスティナブルアートプロジェクト 『事の縁』」旧坂本小学校、東京
2007 「IVRC Tokyo」日本科学未来館、東京

 

 

 

「リベンジ・ポルノという言葉の持つ、極めてネガティヴな怒りや憎しみによる行為のイメージの背景には、そのリベンジする相手への愛情が存在した場合が多く、愛着があるからリベンジという形になって表出してくる性質がある。

イメージそのものは変わらないのにその露出のされ方によって意味性が極めて変わってしまうのは、現代人は誰もが抱えている公と私、裏と表、信頼と裏切りが一体となった象徴がリベンジ・ポルノだからではないでしょうか。

1つのイメージを巡っての意味や見る側の感情の揺れ動きと、本来なら曖昧でもある言葉のイメージが、画像検索した結果によってその真偽もはっきりしないまま、人の脳裏に固定化されていくというネット社会の現象が、JOKAIという覆面アーティストを生んだと言えます。

JOKAIは今現在「リベンジ・ポルノ」という言葉とその画像に囚われて制作をしていますが、JOKAIにとっての表現の本質は、意味の反転や感情の激しい動きを伴うモチーフとも出会いにあります。」(佃義徳)

 

JOKAI

主にネット上に存在する「リベンジ・ポルノ」を画像検索で保存収集し、その画像をモチーフとして加工して制作活動をしている覆面アーティスト。日本在住アーティストであること以外に、名前や表現活動以外の経歴は性別も含め公式には非公開を希望。

主体となるアーティストは別の名前で活動をしていて、佃義徳が代理人的な立場で、他数人の作家などがサポートしている。

 

 

 

「“Search Results”シリーズはインターネット上の画像検索ページで画家の名前を検索した結果画面でその画家の作品画像が並んでいる状態を描いています。そこでは実際の作品がたとえ3mであっても、30cmであっても、画像は一覧性を優先し等しく高さを揃えたサムネイル画像となって並べられます。これはどんな名画でも存在する環境や画面の凹凸、サイズなどを捨象され、厚みのない画像となって情報化されている時代の日常の風景でもあります。」(佃義徳)

 

末永 史尚  Fuminao Suenaga

1974年 山口県生まれ。
1999年 東京造形大学造形学部美術学科美術Ⅰ類卒業。

印刷物の部分や日用品、インターネットの検索結果画面など、視野の端にあるようなものをモチーフにしたペインティングを制作している。主な展覧会に個展「息づきの絵画」(Maki FineArts/2016年)、「APMoA Project, ARCH vol. 11 末永史尚『ミュージアムピース』」(愛知県美術館展示室6/2014年)、「開館40周年記念 1974 第1部 1974年に生まれて」 (群馬県立近代美術館/2014年)

web : http://www.fumisue.sakura.ne.jp/

 

 

 

「公共の風景や社会的事件に対する、人々の心象と振る舞いに興味を持つ。近年はメディアと記憶の関係をテーマに近代史にまつわる記念碑や産業遺産を巡礼、ギャラリー内外を舞台に絵画、映像等を制作。2011年の原発事故による福島県の帰還困難区域内の展覧会「Don’t Follow the Project」実行委員としても活動。」(佃義徳)

 

竹内 公太  Kota Takeuchi

個展

2017 “写真は石碑を石にする、それでも人は”, snow contemporary, 東京
2016 “メモリー・バグ”, The Arts Catalyst, ロンドン, イギリス
2015 “Re : 手の目 ”, snow contemporary, 東京
2013 “影を食う光”, 森美術館, 福島
2012 “公然の秘密 ”, snow contemporary, 東京
2013 “影を食う光”, 森美術館, 福島
2012 “公然の秘密 ”, snow contemporary, 東京

グループ展

2016 “PERPETUAL UNCERTAINTY” Bildmuseet, ウメオ, スウェーデン
2015 “Don’t Follow The Wind”, 東京電力福島第一原子力発電所事故に伴う帰還困難区域某所 , 福島
2015 “Don’t Follow The Wind Non-Visitor-Center”, ワタリウム美術館 , 東京
2014 “The Fifth Season”, James Cohan Gallery, ニューヨーク , アメリカ
2013 “Media / Art Kitchen”, Bangkok Art & Culture Centre, Bangkok, Thailand
2013 “Art/Domestic: 未来の体温 after Takashi Azumaya”, ARATANIURANO|YAMAMOTO GENDAI, 東京
2013 “MOT コレクション After images of tomorrow”, 東京都現代美術館 , 東京
2013 “サイドコア―Body / Media / Graffiti”, Terratoria, 東京

(指差し作業員の代理人…指差し作業員は2011年東京電力福島第一原発のライブカメラを指差した人物。竹内は彼の代理人として作品の編集、展示を代行しています。)

2017 “MUSEUM OF CAPITALISM“, 旧Jack London Marketビル, カリフォルニア
2016 “村上隆のスーパーフラットコレクション”, 横浜美術館, 横浜
2015 “GLOBALE:GLOBAL CONTROL AND CENSORSHIP”, ZKM_Lichthof1+2, Karlsruhe, ドイツ
2014 “Good Morning Mr Orwell 2014”, Nam June Paik Art Center, ソウル , 韓国
2014 “Censorship: The 7th Move on Asia”, Altanative Space Loop, ソウル , 韓国
2014 “Three Years After”, Wilfrid Israel Museum , ハゾレア , イスラエル
2013 “Now Japan”, Kunsthal KAdE Amersfoort, アメルスフォールト , オランダ
2013 “MOT コレクション After images of tomorrow”, 東京都現代美術館 , 東京
2012 “Dance on a Thin Line”, Center for Developing Culture, 大邸 , 韓国

web : http://www.kota-takeuchi.net/

 

 

 

「実家の木造二階建ては、一見すると他人には幸せに映るらしい。しかし、人には到底分からぬ立場の事を”当事者性”と呼ぶのだろう。 幸福な響きを持つ言葉「マイホーム 」。画像検索した。不動産物件の画像が並ぶ。それらを、コンクリート板に転写し一旦割って、金継ぎ修復を施した。同時に窓に明かりが灯り、月が昇る。 そこにも”当事者”は居る。」(佃義徳)

 

渡辺 篤  Atsushi Watanabe

東京藝術大学在学中から自身の体験に基づく、傷やとらわれとの向き合いを根幹とし、かつ、社会批評性強き作品を発表してきた。 表現媒体は、絵画、インスタレーション、映像、パフォーマンスなど。また、テーマはどれも個人的な立場や経験を基とした、新興宗教・経済格差・ホームレス・アニマルライツ・ひきこもりなど多岐にわたる。それらを国内外の社会問題とも接合させて作品化させ続けてきた。大学卒業後に路上生活やひきこもりの経験を経て2013 年活動再開。以後精力的に発表を続けている。2016年にARTIST’S GUILDメンバー加入。

2009  東京藝術大学大学院 美術研究科 絵画専攻(油画)修了
2007  東京藝術大学 美術学部 絵画科油画専攻 卒業
1978  神奈川県横浜市 生まれ

主な個展

2017  個展「わたしの傷/あなたの傷」六本木ヒルズ A/Dギャラリー、東京
2014  個展「ヨセナベ展」Art Lab AKIBA、東京
2014  個展「止まった部屋 動き出した家」NANJO HOUSE、東京

主なグループ展

2017 「東京藝術大学創立130周年記念特別展 藝「大」コレクション パンドラの箱が開いた!」東京藝術大学美術館、東京
2016 「黄金町バザール 2016 −アジア的生活」黄金町、神奈川
2013 「Who By Art Vol.2」西武渋谷店美術画廊/西武池袋本店美術画廊、東京
2009 「ASIA PANIC」光州ビエンナーレホール、韓国、光州
2008 「チバトリ」千葉市美術館、千葉

主な掲載

2017 『Yahoo!ニュース/オルタナS』(web)7/13公開「元ひきこもりの現代美術家、<弱い誰か>を見殺しにするな」(本人寄稿)
2017 『TH』(雑誌)No.71「渡辺篤~ひきこもり体験を、アートを通じて「生」につなげる」(記事・志賀 信夫)
2016 『美術手帖』(web)10/12、11/21公開「心の傷を”継ぐ” アーティスト・渡辺 篤インタビュー 前編・後編」
2016 『POPEYE』(雑誌)11/10号「会田さん、今面白い現代アーティストを教えてください!」(会田 誠・評)
2016 『東京新聞』9/29号 「心の傷教えてください・渡辺 篤さん<アートで寄り添う>」
2016 『神奈川新聞』9/18号 「論説・特報|現代美術家 渡辺 篤・他者の傷に寄り添う」
2015 『AERA』(雑誌)6/8号「当事者たちの<脱ひきこもり>」 (記事・遠藤 一)
2014 『Yahoo!ニュース/オルタナS』(web)11/11公開「<ひきこもりの部屋> 写真集めて展覧会」 (記事・今 一生)
2014 『美術手帖』(雑誌)9月号「ストリートは表現でつくられている 渡辺 篤<ヨセナベ展>」 (福住 廉・評)

主な出演

2016 『ハートネットTV|ブレイクスルー』(NHK)6/27放送「心の傷は いつか光り輝く ー現代美術家・渡辺 篤ー」
2016 『NEWS 930α』(テレビ神奈川)11/04放送「特集 <心の傷>にアートで寄り添う 現代美術家の想い」

主な助成

2016、2017 『横浜市芸術文化振興財団』「創造都市横浜における若手芸術家育成助成」

web : https://www.atsushi-watanabe.jp/

 


 

キュレータープロフィール

 

佃 義徳  YOSHINORI TSUKUDA

2002年からドイツ語圏のオークションハウスの代行業務にてジャンル問わず多くの美術品やコレクターズアイテムを扱い美術の世界に入る。2006年より現代アートのコレクションの立ち上げにアドバイザーとして関わる。リサーチ、作品購入から管理、コレクションスペースの展示の企画・運営など。2010年以降フリーランスのアート・アドバイザーとして、展示の企画、リサーチ、コレクション、イベント等に携わる。フレンチのシェフ松嶋啓介が発起人の + ART CLUBにて食とアートの会を主催者としてこれまで27回開催(2017年6月現在)。

主な企画

2017 「Search & Destroy」展 @TAV GALLERY
2017 「BLUE LINES」@THE WEEKENDER by Shinzone
2016  ウルトラマン放映50周年「ウルトラ怪獣墓場」展@MDP Gallery
2014  渡辺篤「ヨセナベ展」@アートラボ・アキバ、渡辺篤「止まった部屋 動き出した家」@nanjo house
2012-2016年  グループ展「who by art」@西武渋谷美術画廊、信藤三雄「これは書ではない」@Restaurant-I
2011 「8 solo exhibition」シリーズ@Garelie H、「8 mix exhibition」@trim
2010  大山エンリコイサム“Quick Turn Structure」@Restaurant-I