PERMINUTE「乾いたアサガオ日記の跡」 [ 8/22 (tue) – 9/3 (sun) ]


 

 

ファッションデザイナー半澤慶樹が手がける「PERMINUTE」によるキュレーション企画「乾いたアサガオ日記の跡」を8月22日(火)から9月3日(日)まで開催いたします。

出展作家は、おさないひかり、小山維子、喜覚愛、半澤慶樹、東伸宏、山下達哉、photomakerと各々が別のジャンルで活躍する若手作家7名が参加。ファッションデザイナー、美術作家、写真家、詩人、調香師、と異文化による仮想の研究室に是非、ご注目下さい。

 

同ブランドは2017年春夏の立ち上がりと若手ブランドながら、ロンドンで開催された「H&M DESIGN AWARD 2017」の日本人唯一のショートリストへ選出、「VOGUE ITALY vogue talents 2016」「METAL magazine」などへの掲載、グラフィックデザイナー浅田農とフォトグラファーphotomakerとの共同制作による雑誌「sassi」の発行も手がけ、国内外で多岐にわたる活動をしています。

本展では自由研究をテーマとする「PERMINUTE」が理想とする研究室を、可視化させる為のキュレーションであり、6名の作家が手掛ける研究とともに、半澤慶樹の小学生時代の自由研究が展開されます。

 

子供らしくない子供部屋で「架空の過去の半澤」が未来に見るかもしれない風景として、残り僅かとなった夏休みに、時空を超えた当時はまだ生まれていなかった数々の作品と対峙し、先入観に捉われない、好奇心を刺激していただきたいと思います。

 

TAV GALLERY STAFF

 


 

開催概要

名称 : 乾いたアサガオ日記の跡
日程 : 2017年8月22日 (火) – 9月3日 (日)
会場 : TAV GALLERY (東京都阿佐ヶ谷杉並区北1-31-2) [03-3330-6881]
時間 : 13:00 – 20:00
休廊 : 会期中無休

出展作家 : おさないひかり、小山維子、半澤慶樹、東信宏、山下達也、喜覚愛
キュレーション : PERMINUTE
ディレクター : 青木幹太

Closing Party「夏休みの終わり」: 9月3日 (日) 17:00 – 20:00

 


 

展覧会に寄せて

 

PERMINUTEが贈る、土とアートの展示。

 

ルイ・ヴィトン、グッチ、エルメス…。ヨーロッパのコングロマリットが傘下に収める名だたるファッションブランドが開催するエキシビジョンが、近年日本でも話題を呼んでいる。メゾンがサポートする様々なアーティストを集め展示したものや、ブランド内部の様子を再現したものなど様々だ。 こういった活動は 今に始まった事ではない。かつてはシャネルの創始者、ココシャネルが無名時代のピカソやコクトー、ヴィスコンティーといった芸術家たちを支援していたことは有名である。 しかしながら、ポストリーマンショックの時代にあって、こういったメセナ(企業による文化活動の支援)はそれそのものの羽振りの良さを見せつけるためのものになってしまった。

今回の企画展では、立ち上がって間もない服飾レーベルPERMINUTEが自らの作品と呼応させるように独自の視点で選出した作家を一堂にキュレーション、展示を行う。

 

PERMINUTEは2016年に立ち上がったファッションブランドである。デザイナーの半澤はこれまで、 自然の中で生まれ育ったバックグラウンドをコレクションに色濃く反映してきた。一貫してユニークな実験を許容する姿勢には父の影響で没頭した夏休みの自由研究課題での思い出が深く関わっている。

 

幼い頃から慣れ親しんだ土をテーマに取り組んだ一連のサーベイを経て、当時7歳の半澤は土の持つ様々な特性に魅了されていった。デザイナーの半澤の生まれ育った環境に基づいて 、終わり際の夏休みの子供部屋をイメージした展示となる。 散らかった勉強机や枯れかけの朝顔は、じめっとした郷愁を感じさせるだけでなく、時空を超えたどこか遠くの見知らぬ場所への誘いとなって立ち現れる。その様子を是非体感していただきたい。

 

PERMINUTE

 


 

キュレータープロフィール

 


PERMINUTE (パーミニット)
半澤慶樹 Yoshiki Hanzawa

1992年福島県生まれ。2016年、17SSよりブランドスタート。コンセプトは「カッティングとテキスタイルの双方からユニークな実験を通して、これまでにない新しいファッション性を提案する。

 


 

アーティストプロフィール

 


おさないひかり  Osanaihikari

詩を書く傍ら野焼きと呼ばれる原始的な手法の焼き物(土器)を制作し、「わたし」が内包する”心と体以 外の領域”をテーマに詩と土器を並行して発表している。

1993年 新潟県糸魚川市生まれ 2013年 「第18回中原中也賞」候補
2014年 武蔵野美術大学工芸工業デザイン科陶磁専攻卒業

著書

2016年 「300年のヒント」
2012年 「サマーバケーション イン マイ ヘッド」(後藤ユニ名義)

展示

2016年 「300年のヒント」(写真家・川上向子との共作展)
2015年 「あなたというよりつよい風」
2014年 「くらくてしろい」(グループ展)

 

 

東 伸宏  Higashi Nobuhiro

大阪府富田林市生まれ。 2011年、立命館大学ロボティックス学科卒業。卒業後、文化服装学院でファッションを学び、リトゥンアフ ターワーズ(writtenafterwards)」運営の『ここのがっこうで』で、山縣良和、坂部三樹郎にファッションデザインを学ぶ。2016年からビーズ刺繍のオブジェをつくるお守りアーティストとして活動。 2015年欧州最大級のファッションコンテスト「ITS(インターナショナル・タレント・サポート)」で、アートワーク部門(SWATCH support )でファイナリストに選ばれる。

天上と地上のセカイ

地上では、まっすぐの木が育たず、ぐにゃぐにゃな木しか育たない。空は永遠と暗く、常に湿気が高い。 地上にはモノノケたちが生きている。 モノノケたちはみんな見た目は少し変わっているが、純粋な心を持っている。 モノノケたちはいつか箱舟に乗って、きっとある天上のセカイに行けると信じている。 その天上のセカイはきっと空が明るくて、草木が多く、綺麗な建物が建っている。 そんなモノノケたちが思い描く天上のセカイ。

 

 


小山 維子  Yukiko Oyama

絵画を軸にしながら、人やもの、出来事、空間などの関係性を抽象化し間接的に関わりを繫ぎ止める制作をしている。最近は変形度の高い素材での立体や写真も扱う。

1993  宮城県仙台市出身
2011 多摩美術大学絵画学科油画専攻入学
2015  多摩美術大学絵画学科油画専攻卒業

個展

2013 「かたちべや」 DESIGN FESTA GALLERY
2014 「帰る途中」武蔵野美術大学 伽藍堂ギャラリー

主なグループ展

2015 「春のカド グループ展4」OGU MAG (東京)
2016 「SUPER OPEN STUDIO」 Studio program “R2″(5,5)=10 (studio REV)
2016 「Ongoing Art Fes」吉祥寺Ongoing
2016 「KAREN’S COOKIES 」ギャラリーかれん
2017 「TURN AROUND GALLERY」Exposition Art Geo Construi(仙台)

 

 


喜覚 愛  Ai Kikaku

幼い頃よりパティシエを目指し、8年間を製菓に費やす。成熟した競争の多い業界で働く中で、自分にしか出来ない、新たな業界を切り開くような仕事についてを考えた時、「香りは芸術」という香りの世界に強く惹かれ渡仏。サンキエームソンス・パフューマー クリエイション過程を学び帰国。

1993年 三重県出身
2016年 パリ サンキエームソンス パフューマー クリエイションコース卒業

 

 


山下 達哉  TATSUYA Yamashita

地層や発掘作業に関心を持つ。埋める、掘り起こすといった身体的行為に付随する時間や記憶、過去の 痕跡から発せられるイメージ、感覚を探求し、写真制作を展開。2011年から2016年にかけて、福島第一 原子力発電所から約30~40キロ圏内の土地での撮影を行う。

1982年 福井県生まれ。 大阪芸術大学芸術学部写真学科卒業
2014年「第10回写真1_WALL」グランプリ受賞
2015年 個展「Decontamination-(除染)」ガーディアン・ガーデン(東京)

 

 


photomaker

フォトグラファー。PERMINUTE立ち上げ当初からブランドのビジュアル製作を行なっている。デジタル写真のデジタルらしさ、写真らしさのいずれもスポイルしない質の高いクリエイションを展開。