香月恵介 x HouxoQue「NOUMENON」[ 6/8 (fri) – 6/24 (sun) ]
香月恵介とHouxoQueの二人展「NOUMENON」を6月8日(金)より6月24日(日)まで開催します。
香月恵介は、ブラウン管モニターを絵具で再現した「ピクセル絵画」や、照明の当てかたによって様々に表情を変える「グレイ」シリーズといった、光の反射をテーマにした作品を発表しています。一方、HouxoQueの作品では、多くの場合、それ自体が発光するディスプレイや蛍光塗料が用いられています。
画面という境界に対する二人のアプローチは、しばしば比較されてきましたが、今回の展示では、平行な仮設壁を設け、文字通り、二人の作品を対立させます。また、TAV GALLERY独特のガラス張りの空間によって、時間とともに変化する光と作品の関係にもご注目ください。
TAV GALLERY STAFF
開催概要
名称 : NOUMENON
会期 : 2018年6月8日 (金) – 6月24日 (月)
会場 : TAV GALLERY (東京都杉並区阿佐谷北1-31-2) [03-3330-6881]
時間 : 13:00 – 20:00
休廊 : 水曜、木曜
Opening Party : 6月9日 (土) 18:00 – 20:00
参加作家 : 香月恵介、HouxoQue
施工協力 : 秋山佑太
キュレーター:飯盛希
アーティストプロフィール
香月恵介 – Katsuki Keisuke
1991 福岡県生まれ
2014 東京造形大学 造形学部美術学科絵画専攻 卒業
2016 東京造形大学大学院 造形研究科美術専攻領域 修了
個展/Solo Exhibitions
2017 Image in the Light (Lower Akihabara./東京)
2015 Color Without Color (Art Complex Center Tokyo/東京)
2015 Filled with Light (Lower Akihabara./東京)
グループ展/Group Exhibitions
2018 PREVIEW (EUKARYOTE/東京)
2017 rgb+ 2017 exhibition vol.9 (ZOKEI Gallery/東京)
2017 Japanese Contemporary Art Show(La Lanta Fine Art/バンコク)
2017 CIRCUS vol.1 (SEZON ART GALLERY/東京)
2016 rgb+ 2016 exhibition vol.8 (ZOKEI Gallery/東京)
2016 iphone mural (BLOCK HOUSE/東京)
2016 Mポリフォニー2015 – アングル – (ZOKEI Gallery/東京)
2016 Two Truths (Grifin Gallery /ロンドン)
2014 リキテックスアートプライズ 2014(Arts Chiyoda 3331/東京)
2014 Flourish switch(mime/東京)
2014 Mポリフォニー2014 – チャンネル – (ZOKEI Gallery/東京)
2014 Abflug2014 – プリズムを通して(Arts Chiyoda 3331/東京)
受賞/Awards
2017 第32回ホルベイン・スカラシップ奨学生
2014 リキテックスアートプライズ 2014 グランプリ
[参考作品]
HOUXO QUE
1984 東京生まれ
個展/Solo Exhibitions
2015 spectrum /西武渋谷店 オルタナティブスペース, 東京
2015 16,777,216views/Gallery OUT of PLACE TOKIO, 東京
2011 Fluorescence view/MUJI cafe, 東京
グループ展/Group Exhibitions
2016 アートラインかしわ/柏 高島屋, 千葉
2016 オールピスト東京|HORS PISTES TOKYO 2016/SuperDeluxe, 東京
2015 NEO JAPAN, digitale Techniken in Malerei und illustration /MICHEKO GALERIE, Munich | GERMANY
2015 ART OSAKA :Gallery OUT of PLACEブース/ホテルグランヴィア大阪, 大阪
2014 16,777,216view/BCTION, 東京
2014 STAR collaboration project with Sakba Tokiya /2.5D, 東京
2014 光茶会 /SHUHALLY, 神奈川
2012 Print and Paint/アート京都, 京都
2013 Post dpi/Hidari Zingaro, 東京
2011 days and nights with 平川紀道/JMAFD 2011, Dordmund | ドイツ
2010 Hana to Diamond/Compond Gallery, Portland | USA
コミッション/企業協賛
2016 VOGUE FASHION’S NIGHT OUT TOKYO 2016/JOURNAL STANDARD relume, 東京
2015 Paris Premieres Roses 2015(パッケージデザイン)/Yves Saint Laurent, Paris | FRNCE
2013 LaneCrawford, Wall Painting/Hong Kong and Beijing | CHINA
2013 Tokyo Chocolate(パッケージデザイン)/Mary`s chocolate company, 日本
2010 Granimator™ iPad APP Artist Pack “Day and Night”/Yves Saint Laurent, London | UK
2010 ポスターキャンペーン/TOPSHOP | UK
2010 TOPSHOP, Wall Painting/TOPSHOP | UK
2010 NIKE Idea Lab, Wall Painting/Portland | USA
[参考作品]
展覧会に寄せて
香月恵介の作品は、光の反射を前提し、照明のあてかたによってさまざまに印象を変化させるのに対し、HouxoQueの作品は、それ自体が発光し、めまぐるしく色を明滅させる。いずれの制作においても「光」が中心的なテーマだが、それは単に、両者が劇的な視覚効果を重用しているからではなく、いわば「光それ自体」に対する強い志向を見せているからである。香月が「光のなかにある像」と言うのは、とらえどころのない像を、現象としてではなく、むしろ存在として想定することで、光と私たちの認識とを切りはなしているのであり、あるいは「FF0000はどんな赤より赤い」といったHouxoQueの言葉には、光を観念論的な実在として前提する思考が表れている。
そこで、香月恵介の絵画とHouxoQueのディスプレイを、向かいあうように対置してみたい。となりあうように並置するのではなく。そして、ある程度、接近させて――。このとき、一方の画面を透過する光は、互いの作品における本質的な条件に照準を合わせるために、それを反射する他方の画面から必要とされるものであり、形象を与える媒体として観者に提供されるものではない。つまり、二人の作品を対立させることによって中心化される主題は、私たちの知覚とは関係のない、超越的なものなのである。したがって、今、現象学的にではなく、存在論的に考えなければならない。二人の芸術家にとって光は、世界ではなく形而上にあるのだから。
飯盛希