草刈ミカ 個展「凹凸絵画」[ 11/8 (sat) – 11/24 (mon) ]


 

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アンチ・フラット派。セカイ系を謳うアーティスト・草刈ミカ個展「凹凸絵画」を、11月8日 (土) から11月24日 (月) まで開催します。

 

草刈ミカはこれまでに、「複製絵画」「アニメーション絵画」「画中画」「恍惚点描画」「凹凸絵画」という5つの作品をシリーズ的に展開し発表してきました。

本展は、「凹凸絵画」の第2弾目となる展示で、「凹凸絵画」は、直接チューブから出した様な凹凸の絵具の線と線が交差し、交差を重ねた線のー本一本は物質的には交わらず、隣同士との様々な距離を保ちながら、 個々の色や形を尊重し合って自立します。現時点では、その太さは、一番細いもので1mm、一番太いもので15mmのものがあります。

「凹凸絵画」は観る角度や距離により、表情が変わる面白さがあり、 鑑賞者は、遠くから観た時と近くに寄って観た時の、その違いの有り様に驚く事でしょう。たまに訪れる絵具のわがままなイタズラが愛しい。 一本の線の色の違いや、太さ、順序の違い、ズレ、によって、シンメトリーは一気に姿を変える。絵具というアナログな物質を、極限に近いコントロールによって手懐ける。 やがて、画面には整然とした冷静な品格が宿ります。

 

本展は、Exhibition Space と Lab Space の二部屋を使用しての展示になっており、Exhibition Space には、「凹凸絵画」の新作である 1820×3500mm の大型作品などを展示します。

また、11月16日には、Lab Space にて、バカCGや方法主義でも知られる美術家の中ザワヒデキ氏をお呼びし、アーティスト同士の対談「絵具のマインドコントロール」を行います。

今後も新たな取り組みを視野に入れ展開していくという草刈ミカ、まずは本展で発表される新作に注目ください。

 

 

TAV GALLERY STAFF

 

 

作家プロフィール

 

草刈ミカ

1976 神奈川県生まれ
1995 神奈川県立弥栄東高等学校美術科卒業
1999 東京造形大学造形学部美術学科絵画専攻卒業

 

[主な個展]

2010 「凹凸絵画」 トーキョーワンダーサイト本郷、東京
2003 「マッチ売りの商事」 Shop33、吉祥寺~渋谷 東京
2001 「問×」 23ギャラリー、東京

[主なグループ展]

2010 『3331アンデパンダン』 アーツ千代田3331、東京
2008 『沖縄アートフェスティバル』 浦添市美術館、沖縄
2008 『トーキョーワンダーウォール2008』 東京都現代美術館、東京
2007 『シンジュク アート インフィニティVol.3』 新宿丸井、東京
2006 『JEANS FACTORY ART AWARD 2006』 高知市文化プラザ、高知
2004 『シェル美術賞2004』 代官山ヒルサイドフォーラムF棟、東京
2003 『ARTISTS BY ARTISTS』 六本木ヒルズ森タワー53F、東京

 

WEB : http://www.mika-kusakari.com/

 

 

開催概要

 

名称 : 草刈ミカ 個展「凹凸絵画」
会期:2014年11月8 (土) – 11月24日 (月)
会場 : TAV GALLERY (東京都杉並区阿佐谷北1-31-2) [03-3330-6881]
時間:11:00 – 20:00
休廊:木曜日

OPENING PARTY :  2014年11月8日 (土) 17:00 – 19:00

 

 

関連企画

 

□ 11月16 (日) 17:00 – 19:00

草刈ミカ × 中ザワヒデキ 対談「絵の具のマインドコントロール」

※ 参加費 1,000円 ワンドリンク込み

 

中ザワヒデキ(なかざわ・ひでき)

美術家。1963年新潟生まれ。千葉大学医学部在学中の1983年よりアーティスト活動開始 (第一期:アクリル画) 。卒業後眼科医となるも1990年、絵筆をコンピューターのマウスに持ち替えイラストレーターに転身 (第二期:バカCG) 。1997年、CGの画素を文字等の記号に置き換え純粋美術家に転身 (第三期:方法絵画) 。2006年、方法主義では禁じていた色彩を再び使用 (第四期:本格絵画、新・方法、第四表現主義) 。宣言「方法主義宣言」「新・方法主義宣言」。特許「三次元グラフィックス編集装置」「造形装置および方法」。著書「近代美術史テキスト」「西洋画人列伝」「現代美術史日本篇」。CD「中ザワヒデキ音楽作品集」。

 

 

本展に向けて

 

 

私は、アンチ・フラット派。セカイ系を謳う。 「凹凸絵画」

凹凸絵画は観る角度や距離により、表情が変わる面白さがある。 鑑賞者は、遠くから観た時と近くに寄って観た時の、その違いの有り様に驚く事だろう。
直接チューブから出した様な凹凸の絵具の線と線の交差は、画面にリズムを生み出す。 現時点では、その太さは、一番細いもので1ミリ、一番太いもので15ミリのものがある。 交差を重ねた線のー本一本は物質的には交わらず、隣同士との様々な距離を保ちながら、 個々の色や形を尊重し合って自立する。
高ぶった感情と呼吸を整え、絵の具のマインドコントロールに挑む。

絵具というアナログな物質を、極限に近いコントロールによって手懐ける。 やがて、画面には整然とした冷静な品格が宿る。
たまに訪れる絵具のわがままなイタズラが愛しい。 一本の線の色の違いや、太さ、順序の違い、ズレ、によって、シンメトリーは一気に姿を変える。

グリッチ。

制作途中の束の間の、その訪れは画面にユーモアを醸し出す。 たとえ高性能なデジタルマシーンであっても、集中力を最大限に発揮している人間による作業であっても、グリッチは発生する。
凹凸絵画は、超アナログの手法によるものだ。 従って普通それをケアレスミスと言うのかもしれないが、私はそれをグリッチと呼んでいるのだ。
モチーフには、「鏡」や、日本画特有の単純で洗練された線や面で構成された「画中画」、 優雅な曲線によって描かれた「サイン」などがある。
鏡。 それは現実のコピーアンドペースト。現実のトリミングとカット。拡大と縮小。

サイン。

難読症の私にとって、文字というのは、「書く」のではなく「描く」、「読む」のではなく「観る」という認識がある。 それは、書画ならぬ描画であり、一つの具象的モチーフとして捉えている。 書を嗜んでいた幼い頃その事に気付き、今となっては絵画の具象的モチーフへと変化した。

画中画。

自身の過去作品を、違うキャンバスに再び出現させるという私の画中画には、 自身の作品のみならず、尊敬する作家の作品も登場する。

凹凸絵画。

それは、ドローイングとペインティングとモデリングの、アクロバティックな同居を鑑賞者の眼前に突きつける。

 

 

草刈ミカ

 

 


 

 

I am anti-flat, and a megalomaniac existentialist. “UNEVEN PAINTING”

Uneven Painting changes its expression in different angles and distances.
The viewer will be surprised how much it varies when seen in a distance then in closer inspection.

Uneven crossing lines of paints look as though pressed directly from paint tubes,
with diverse thickness from 1mm to 15mm, generating rhythms on the canvas.
Each of crossing lines is not materially mixed with others, maintaining various distances from its
neighboring lines, independent of one another with respect tounique colors and forms of its own and others.

Settling down my breath and excitement, I embark on “mind-control of paints.”
I practice almost extreme control over paints in order to tame their analog materiality. It endows the canvas with calm and ordered elegance.

I cherish occasional mischief of selfish paints.
Executed in a different color, thickness and layering-order, with inevitable tremors, each line contributes to drastic alteration of the nature of symmetries.

Glitch –
Even a highly advanced digital machine or a human work in the highest concentration cannot avoid glitches. Uneven painting is a product of thoroughly analogue techniques.
Some people may call it “careless mistake,” but I dare call it “glitch.”
Glitches occur occasionally to bring a sense of somewhat humor to the canvas.
My representative works include some specific motifs such as “mirror,”
“picture-in-picture” composed of efficient lines and planes unique to Japanese painting,
or my own “signature” rendered in elegant curves.

Mirror –
The mirror is copy-and-paste, trimming-and-cutting, and zooming-in/out of reality.

Signature –
My dyslexia makes me look letters as something to be “drawn,” not “written.” Letters appear as figures since I started calligraphy in my childhood,
which have now developed to figurative motifs for my painting.

Painting-in-Painting –
My previous works sometimes appear on different canvases as picture-in-pictures.
I also include images by the only artist I respect, whose work is still in further progression.

Uneven Painting –
Uneven Painting is thrust before the eyes of the viewer as acrobatic coexistence of drawing, painting and modeling.

 

 

Mika Kusakari