「メンヘラ展 Special」[ 2/4 (wed) – 2/12 (Thu) ]
メンヘラ当事者が、アートを通して世界とつながることを目的とした展覧会「メンヘラ展 Special」を、2月4日 (水) より2月12日 (火) まで開催します。
主催者は、東京藝術大学油画科に在学する学生であり、自身も物質誘発性精神病性障害を抱え、現在、精神科に入院中である、あおいうに。「メンヘラ展」は、2014年に2度開催され、出展者には、うつ病、摂食障害、パニック障害、境界性人格障害といった障害を抱える人々が並び、2度の開催で1500人程の来場者を記録しています。
主催者のあおいうには、「メンヘラ展」展示グループの発足経緯について、「私達の目的は、アートセラピーでも、メンヘラに安住することでもありません。 承認欲求を満たすためだけのものでもありません。アートは社会との、鑑賞者との、作品との、自分との、コミュニケーションツールの一つです。自分のメンタリティを全て曝け出さなければ、表現になりません。アートを通して、メンヘラが世界と繋がる。ネットとリアルが繋がる。メンヘラのリアルを伝える。メンヘラと意識を共有する。そんな展示にしたいと思っています」と語っています。
第3回目の開催となる本展は「メンヘラ展 Special」と題して、メンヘラのバリエーションをみせる従来の形式とは異なり、少数精鋭で、より表現として洗練された作品を出展することを目指し、「メンヘラ展」展示グループから、本展キュレーター兼作家であるあおいうに、東京芸術大学先端芸術表現科に在学し、統合失調症 (現在は寛解状態) を抱える池田サチ、多摩美術大学絵画学科に在学し、鬱病、パニック障害、統合失調症を抱えるナカバヤシアリサ 、2014年に統合失調症の2人展「妄想の木星2℃」を開催したグラフィックユニット・2r代表の中村雅樹、強迫性障害を抱える会社員・Fluyn の5名が参加します。
また、今回はスペシャルゲストとして、「メンヘラ展」と同じく2014年に「メンヘラチャン展」を2度開催している、メンヘラチャンの作者・江崎びす子が参加。メンヘラチャンは、pixivにて漫画「リスカ変身サブカルメンヘラ」が連載され、展覧会で単行本が発売されているほか、LINEスタンプは、販売開始からトップ30にランクインするなど今サブカルチャーに特化した若者の間で注目を集めているキャラクターです。
「メンヘラ展」の活動は、2014年に登場した表現主義の新しい形として、2014年12月に刊行された美術家・中ザワヒデキ著『現代美術史日本篇 1945~2014』(アートダイバー刊) のなかで「精神障害者の制作物を美術の側からアウトサイダー・アートとして搾取する従来図式とは異なり、自傷やOD (過量服薬) や過食嘔吐といった一人だけの問題行動から自身が脱出し、世界 (他者) と繋がるきっかけとして「芸術」が位置づけられています。」と逸早く言及されており、今後、どのように現代アートの言説のなかで語られていくのかご注目ください。
TAV GALLERY STAFF
作家プロフィール
あおいうに
「メンヘラ展 Special」のキュレーター兼作家。東京芸術大学油画科在学。物質誘発性精神病性障害で精神科に入院中。絵画における純粋性を求め、綺麗事ではない切実さが伝えたいと思っている。主なキュレーションに「メンヘラ展」(2014年 デザインフェスタギャラリー) 、「メンヘラ展2」(2014年 ギャラリー・ルデコ) 。主な受賞に「ACT ART AWARD 2014」優秀賞、「GEISAI#20」ポイントランキング9位、「ACT ART AWARD 2015」優秀賞などがある。
Twitter : https://twitter.com/aoi_uni
Tumblr : http://uniaoi.tumblr.com
池田サチ
東京芸術大学先端芸術表現科3年。アートプロジェクトアシスタントを3年経験するが統合失調症を発症し闘病。現在は寛解。一転、画家兼室内・家具デザイナーを目指しています。「絵画とは立体物であり建築である。」を持論に制作活動をしています。描画材は折り紙やポスカなど一般的に親しみやすいものを得意としています。
Twitter : https://twitter.com/acediaXs
ナカバヤシアリサ
多摩美術大学絵画学科在学。鬱病、パニック障害、統合失調症を発症。好きなもの、嫌いだけれど気になってしまうもの、その奥に何があって私はそう感じるのかを突き詰めながら制作。現在は寛解。身体拡張をテーマにパフォーマンスもする。
Twitter : https://twitter.com/guraffittiharu1
中村雅樹
1977年生まれ。日本写真映像専門学校卒。Rumpee ノ 助 / 中村雅樹の名前でTシャツデザインやCDジャケット、フライヤー等のデザインを製作。自身が代表を務めるグラフックユニット・2rでは、本田みちよ「Paradise Lost」のジャケットアートワークを2rが制作。また個人では「Art Yard」アートディレクター滝本章雄氏とコラボし、ロックバンド・8ottoのアーテスト写真を制作。「サンシャイン・ディスコ」(祐樹二十五×SQUASH) ジャケットアートワーク。また関西の多数の展示会に出品(出店)しています。Art Yard 「art-plant01」、Art Yard「SQUARE PACK 」(03、08、10)、「ART FAIR FREE」「萬福寺芸術祭」「カロウルエの街(2r)」「未来BRAIN展」など。また2014年統合失調症の2人展「妄想の木星2℃」を開催した。
WEB : http://rumpeenosuke.tumblr.com/
Twitter:https://twitter.com/r0omp
Fluyn
28歳。会社員。強迫性障害。周囲との違和感と、それに融和するために身につけた偽性と真性。常に浮かぶ観念強迫性ののろいの言葉と、間歇的な不安感との生産性のない戦い。10代後半から始まる人格のドラスティックな変化で分断された、自己の各領域。それらを無意識的になぞる線を半ばオートマティックに産出することの意味を、自他に問いたいと思います。
Twitter : https://twitter.com/ves_telesterion
江崎びす子
作家/イラストレーター。2013年末からweb漫画「リスカ変身サブカルメンヘラ」ことメンヘラチャンの連載とグッズ展開を中心に活動中。
Twitter : https://twitter.com/5623V
開催概要
名称 : メンヘラ展 Special
会期 : 2015年2月4日 (水) – 2月12日 (木)
会場:TAV GALLERY (東京都杉並区阿佐谷北1-31-2) [03-3330-6881]
時間:11:00 – 20:00
休廊:期間中全日開廊
出展者 : あおいうに , 池田サチ , ナカバヤシアリサ , 中村雅樹 , Fluyn , 江崎びす子
キュレーター : あおいうに
WEB : http://menheraten.ame-zaiku.com/top.html#!page1
関連企画
□ 2015年2月7日 (土) 11:00 – 20:00
江崎びす子 握手&サイン会 / みんなでメンヘラチャンを描こう!
漫画「リスカ変身サブカルメンヘラ」の作者であり、メンヘラチャンでお馴染みの江崎びす子の握手&サイン会を実施。また、当日は、江崎びす子の参加を記念し、「メンヘラ展」展示グループの出展者全員がメンヘラチャンを描き展示します。
□ 2015年2月8日 (日) 12:00 – 14:00
レセプションパーティ / あおいうに朗読ライブ
「メンヘラ展 Special」の開催を記念したレセプションパーティを開催。誰でも参加可能です。お気軽にご参加ください。また、パーティでは、本展キュレーター・あおいうにによる自作の詩の朗読ライブが開催されます。
本展に向けて
メンヘラ展とは、メンヘラ当事者が内面性を発露するアート展示会です。
インターネットにリストカットやオーバードーズや過食嘔吐や性的逸脱の報告など、自傷という生産性のない問題行動をとっている「メンヘラ」達。それがアートを通して、健康で文化的な社会と繋がっていくという希望を持って活動しています。
お陰様で2度のメンヘラ展が1500人程度の来場者を記録し、大盛況にて終了しました。 この活動を続けていくことで、メンヘラ展という記号を使ってメンヘラのアートが一種のムーブメントとなり、メンヘラ達がより社会と繋がることが出来るようになること。それが、メンヘラ展の大義なのです。
最終的には、メンヘラ展という概念そのものをブランド化することによって、美術史上にその名を刻むことが目的です。私たちの活動や作品を後世にまで伝えていきたいのです。
今回は、メンヘラのバリエーションでみせる従来形式とは異なり、 少数精鋭で、より表現として洗練された作品をお観せしたいという想いから、この展覧会を開くことになりました。メンバーのキュレーションはあおいうにが執り行っています。
また、今回はスペシャルゲストとして「メンヘラチャン」の作者、 江崎びす子様をお招きすることになりました。 スペシャルなメンヘラ展を、どうぞご高覧ください。
本展キュレーター あおいうに