菅原玄奨 個展「invisible」[ 3/19 (sat) – 3/27 (sun) ]
「テクスチャーと触覚性」をテーマに彫刻作品を製作する作家・菅原玄奨の個展「invisible」を、3月19日(土)から3月27日(日)まで開催します。
菅原玄奨は、1993年生まれ、東京造形大学卒業という経歴であり、具象彫刻を得意とし、現代の消費的なファッションシーンを彫刻表現におけるテクスチャーに取り入れ、再構築と未来へのアーカイブを試みる作家です。これまで精力的にグループ展への参加を続け、本展が菅原玄奨の初個展となります。
本展タイトル「invisible」は、従来、人間が感知することの出来ない質感や、触覚性を自身の彫刻表現において具現しているところから、タイトルとして引用されました。菅原が造る彫刻(FRP首像シリーズ)では未来を歩く人間の、象徴的なクオリアを無数に秘めています。
本展では、FRP(繊維強化プラスチック)を主な素材とした彫刻作品や、人体をモチーフにホログラムシートに展開した新作のドローイングを展示。様々な文化の “シーン” が変転する中、”カタチ” のみで、現代を象る彫刻家、菅原玄奨の初個展に是非、ご注目下さい。
TAV GALLERY STAFF
作家プロフィール
菅原 玄奨 / Sugawara Gensho
1993年 東京都生まれ
2012年 東京造形大学彫刻専攻領域入学
2016年 東京造形大学彫刻専攻領域卒業
[主なグループ展]
2016年 「東京五美術大学連合卒業修了制作展」(国立新美術館、東京)
2015年 「knot」(gallery W、東京)
2015年 「八王子夢ビエンナーレ入選作品展」(八王子夢美術館、東京)
2014年 「人体の余白」(東京造形大学内 CSギャラリー、東京)
2014年 「菅原玄奨 伊藤小麟 EXHIBITON」(リベストギャラリー創、東京)
開催概要
名称 : 菅原玄奨 個展「invisible」
会期 : 2016年3月19日(土)- 3月27日(日)
会場 : TAV GALLERY (東京都杉並区阿佐谷北1-31-2) [03-3330-6881]
時間 : 11:00 – 20:00
休廊 : 3月24日(木)
Opening Party : 2016年3月19日(土)18:00 – 20:00
ステートメント
『 現代 』を彫刻で映しとることは可能だろうか。
彫刻という作業は、対象を具現化せしめ、カタチとして後世に問う行為に他ならない。
そして現代は、常に目まぐるしく変転し、その実態は杳として素顔を見せてくれない。
私はそこに隠された個人の内面とも共通する、無機質な質感をおぼえる。
実体のない社会と、あたかも、そこを隠れ蓑に生きる現代人。
虚無的で、冷たい手触り。見えない眼差し。
それは、人のエネルギーや生命感を、手あと(テクスチャー)によって形象化してきた、近代彫刻を否定しながらも、触覚的行為においてはむしろ肯定的であるというアンビバレンスの塊でもある。
そして、『現代』もまた、塑像として描き止めた瞬間から、『過去』に変質するアイロニーに支配される。
『今』を語った瞬間から、『今』の劣化が始まる皮肉。
恐らく彫刻は、アキレスと亀の定理のように、寸でのところで、現代に追いつけない。
そんなジレンマを抱える彫刻に、私は“今”を見出す触覚的なリアリティを探し求めている。
菅原 玄奨