坂爪康太郎 個展「BLINKERS -Morphogenesis-」[ 9/17 (Tue) – 10/12 (Sat) ]
この度、陶芸家・坂爪康太郎の初のコマーシャルギャラリーでの個展「BLINKERS -Morphogenesis(モルフォジェネシス)-」をTAV GALLERYで開催いたします。坂爪康太郎は1988年東京都生まれ。武蔵野美術大学工芸工業デザイン学科陶磁専攻卒業の現代陶芸家として知られています。中空構造や、ペルソナをテーマとした企画展「アルカイの空 – Sky of the beginning」以降、本格的なデビューの個展になります。
「ブリンカーズ(Blinkers)」は、坂爪がつくる約10cm~60cmほどのろくろで形成された陶磁器の仮想生命体の「器」を指す総称であり、競馬などの競走馬に使われる視野を狭めることで競技に集中させることを目的とした実利的なマスク「ブリンカー」から名称が引用されました。あえて視野を狭めることを肯定的に捉えた──とされるブリンカーズの様相は、電動ろくろを使った陶器製作に基づいた穴の空いた回転体を三つ直列に配置することで、人間に備わった外敵と察知する防衛本能であるシュミラクラ現象を応用し、既視感があるようでない、未知なる存在を彷彿とさせます。
坂爪はもとより仮面の造形作家として知られており、胴体がなかった頃のブリンカー(仮面の形状のブリンカーズ)は、暗黒舞踏家や気鋭ファッションブランド、アイドルグループのプロモーションに起用されるなど、領域横断的に活動を行なっていました。坂爪はブリンカーズの仮面としての役割と、そのコミュニケーションに於ける機能性を1、主観_仮面の裏(内側、自己) 2、客観_仮面の表(外側、他者)3、大客観_仮面の裡(うら、口と目の間のスペース) の三つに分け、主観と客観が入り混じる裡(うら)の空間を「主体と客体の双方の視点が共鳴する平和な緩衝地帯」と説明しており、仮面を通じた新たな生態系の成立の可能性を提示しています。当展では、ブリンカーズの原初的な姿であり、自然界には存在しない「白」をモチーフとした、新たなブリンカーズ・シリーズが生態系を成して約35体以上が出展されます。
サブタイトルのMorphogenesis(モルフォジェネシス)は、生物学で使用される「形態形成」を指す名称であり、組織や細胞の分化と増殖により個体の形態をつくりあげる発生生物学からの引用。ろくろの回転から、空間に効率の良い形でエネルギーを伝える性質を持つ螺旋構造の可能性を訴える坂爪は、BLINKERSの制作を介し、DNA(デオキシリボ核酸)の二重螺旋の構造を知覚したとしています。仮想生命体であり、器であり、新たなコミュニケーションのツールである仮面の性格をもった、BLINKERSと坂爪康太郎のつくる生態系とその未来に、是非ご期待ください。
佐藤栄祐 TAV GALLERY
開催概要
名称:坂爪康太郎 個展 BLINKERS -Morphogenesis
会期:2024年9月17日(火)- 10月12(土)
会場:TAV GALLERY(東京都港区西麻布2-7-5 ハウス西麻布4F)[080-1231-1112]
時間:13:00 – 20:00
休廊:日、月
レセプションパーティ:2024年9月17日(火)19:00-21:00
坂爪康太郎 / Kotaro Sakazume
1988年 東京都生まれ
2012年 武蔵野美術大学工芸工業デザイン学科陶磁専攻卒業
主な個展
2024 「BLINKERS -Morphogenesis」TAV GALLERY
2017 「野生の思考」dish tokyo gastoronomy caffe
グループ展
2023 「アルカイの空-Sky of the beginning」TAV GALLERY
2023 「INTERVERSE」SOM gallery
2022 「CERAMIX」西武渋谷美術画廊
2021 「加彩婦女俑に魅せられて」大阪市立東洋陶磁美術館
2018 「puzz-le」FARO Kagurazaka
2016 「morning star#01」NANZUKA
2015 「シブヤスタイル vol.9 」西武渋谷美術画廊
アートフェア
2024 「artKYOTO 2024」京都
2023 「Meet Your Art Festival 2023」東京
パブリック・コレクション
2021 rope pattern face/MAKオーストリア応用美術博物館
Web : https://www.instagram.com/kotarosakazume/