D[diː] 個展「The Pretty ASCENSION “S”」[ 3/7 (sat) – 3/29 (sun) ]


 

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作家、イラストレーター、アーティストと幅広く活躍する D[di:] の個展「The Pretty ASENCION “S”」を、3月7日 (土) から3月29日 (日) まで開催します。

 

本展示のタイトルにある「ASCENSION (アセンション)」とは、キリスト教ではキリストの昇天、または天国へ行く事の意味であり、ニューエイジ用語では惑星地球の次元上昇を意味します。一見オカルト的な題材と思われる言葉を使用した意図について、本展ステートメントのなかで、D[diː]は、次のように語っています。

「今展で私の“アセンション”とは、高次元な存在、高度な技術、高いエネルギーを保持していたであろう生命体、強いパワーを秘めアセンションに近づくための図形または場所、建造物という解釈で、チベットの僧侶たちがマンダラを砂をつかって描くように、わたしにとっての砂である花モチーフを使って、パロディ化させていただいた。「ださい」とか、「うそでしょ」とか、「ばっかじゃないの!」と嫌厭されがちなオカルティックな題材を、一見pretty化すること(花だらけで可愛らしくすることなど)で、観る人の脳裏に刷り込ませ「Let’s アセンション!」なトリガーとならないかなぁ、という想いをこめて」

 

D[diː]は、2000年、多摩美術大学在学中に小説『ファンタスティック・サイレント』を発表し作家としてデビューしたアーティストです。デビュー作でありながら、宮崎駿監督が帯文を書いたことで注目を集め、2作目『キぐるみ』では「ノベルコミック」という文学スタイルを生み出し読者に衝撃を与えました。その後、小説、漫画、イラスト、ファッション、デザインなど多分野をまたに活動。

こうした応用芸術などの活動と並行して、純粋芸術の活動を行う D[diː]は、近代以降、「ハイアート/大衆芸術」「商業/非商業」「アート/デザイン」といった境目が見えにくくなったことを象徴的に示しているアーティストだと言えるでしょう。

 

20世紀には、ニューヨーク近代美術館 (MoMA)、フランスパリのポンピドゥーセンター国立現代美術館といった現代美術に関する世界で最も重要な拠点とされる場所にデザイン部門が設立され、デザインがアートと同様の展示・鑑賞の対象であることは欧米では常識とされる現代において、もはや、こうした境目を線引きをすることに意味はありません。

しかし、このことは決して、芸術作品が「何でもあり」であるということではありません。芸術固有の価値とは、ステレオタイプ化された現実、あるいは自明となった現実に対して、常に別の角度から別の見方を与えることで、絶えず多分脈性、多様性を確保しようとすることにあります。また、あるアーティストと他のアーティストとの違い、あるいは自分が描いたいい加減な絵との違いを明らかにするのは、「スタイル」であり、作品を複数見ていくうちにそこに共通する「スタイル」があることを発見できるでしょう。

この点において、本展で D[diː]は、緻密なタッチのタブローという「スタイル」によって、「ASCENSION (アセンション)」という言葉に別の角度から別の見方を与える"芸術作品"の制作を試みていると言えます。本展では、最も有名なアセンションをした宇宙人のあの方が、お花だらけになる新作が展示される他、一部のプロダクト販売も行われる予定です。D[diː]の境目を越境する活動だからこそ生み出された、小難しさのないカジュアルでポップな感覚の作品群にご注目ください。

 

また、本展は、阿佐ヶ谷地域全体で行われるアートの祭典「Pureism国際展 阿佐ヶ谷アートストリート2015」の参加企画のひとつであり、3月6日(金)の17時~20時に、本展と「阿佐ヶ谷アートストリート」合同の誰でも来場できるオープニング・パーティーを開催します。

 

 

TAV GALLERY STAFF

 

 

作家プロフィール

 

D-[di]

 

D[diː]/ディー
作家・イラストレーター・アーティスト

2000年、多摩美術大学在学中に発表した『ファンタスティック・サイレント』を宮崎駿監督のお墨付きで出版、デビュー。二作目、『キぐるみ』発表で「ノベルコミック」という文学スタイルを生み出し読者に衝撃を与え、その後も鋭い観察眼と叙情的な文章や、シニカルかつスイートな世界感の作品を精力的に創作。緻密なタッチのタブローを制作するかたわら、小説、漫画、イラスト、ファッション、デザインなど多分野をまたに活動する稀有な存在として、各界の著名人にも支持者が多い。

 

[主な展示]

2014 個展「ハーモニー/私とあなたのための旋律」(hpgrp gallery TOKYO)
2012 個展「おそらく、永遠に片思い」(hpgrp gallery TOKYO)
2012 「LUMINE MEETS ART / EV decoration」(ルミネ新宿)
2011 「YORU NEKO」展 (銀座ヴァニラ画廊)
2011 60人のアーティストによる「smartなこけし展」[produced by 浅草橋天才算数塾] (TOKYO CULTUART by BEAMS)
2011 グループ展「ANIMAL COLLECTIVE アニマルコレクティブ展」(PUBLIC/IMAGE.3D)
2011 「ないものねだり in my FORESTED room」(H.P.FRANCE WINDOW GALLERY MARUNOUCHI)
2011 「THE ANIMALS」展 (CAFE By the Sea [ルミネ新宿1] & WIRED CAFE [ルミネ新宿2])
2011 「LUMINE meets ART ~Womans~」(ルミネ新宿)
2011 「”The alligator’s daughter”展」(LACOSTE L!VE 原宿オリンピアアネックス ART WALL)
2010 青参道アートフェア「H.P.DECO グループ展」[篠原有司男/奥原しんこ/D[diː]/奥まゆみ]
2010 「LUMINE meets ART」(ルミネ新宿)
2010 D[diː] 10th Anniversary Exhibition「“YOUR MAGICAL GARDEN”」(WALL Fukuoka)
2010 D[diː] 10th Anniversary Exhibition「“YOUR MAGICAL GARDEN”」(ラフォーレ原宿H.P FRANCE / WALL ART SCENE HARAJUKU)
2010 グループ展「The Poster shop」(hpgrp GALLERY TOKYO)
2007 「GREEN & RED Xing X’mas」(TSUTAYA TOKYO ROPPONGI)

 

Web : http://deeth.net/

 
 

開催概要

 

名称 : D[diː]個展「The Pretty ASCENSION “S”」
日程 : 3月7日 (土) – 3月29日 (日)
会場 : TAV GALLERY (東京都杉並区阿佐谷北1-31-2) [03-3330-6881]
時間 : 11:00 – 20:00
休廊 : 木曜日

OPENING PARTY : 2015年3月6日 (金) 17:00 – 20:00

 

 

関連企画

 

□ 3月6日 (金) 17:00 – 20:00

D[diː]個展「The Pretty ASCENSION “S”」&「阿佐ヶ谷アートストリート2015」合同オープニング・パーティ

本パーティは、阿佐ヶ谷地域全体で行われるアートの祭典「Pureism国際展 阿佐ヶ谷アートストリート2015」との合同パーティーとなり、当日は、D[diː]によるMCで出展作家の紹介や、矢野あいみによるアイリッシュハープ弾き語りのミニライブ開催予定です。誰でも参加可能です。みなさま、お気軽にご参加ください。

Web : http://www.asagayaartstreet.com/

 

 

ステートメント

 

 

ASCENSION –アセンション–とは、キリスト教ではキリストの昇天、または天国へ行く事の意味で、ニューエイジ用語では惑星地球の次元上昇を意味する。

つまり、地球上に住む我々人類が現在「リアル」だと思っている三次元のこの世界が、何らかの事象 * が発動することで、高次元の状態になるという現象である。“アセンション”すると、人は身体を脱ぎ捨て、三次元から、四次元、五次元へと次元上昇して半霊半物質の肉体へと変わり多次元存在と交信することができるらしい。
仏教でいえば、解脱、涅槃、ニルヴァーナといったところか。
が、実際に目で見なければ信じられない現代人にとっては上記など、オカルトであり、SFな状況をさす言葉であると言ってよいだろう。

先史の時代、それより前の洪水以前の世界に、地球外生命体、つまり宇宙人がビームシップか何かに乗ってやってきて地球に着陸し、超古代文明と呼ばれる発達した文明を伝えたという説がある。“反重力”を利用して重たい巨石を動かし世界中にピラミッドを作ったり、違う星にワープしたり、時間旅行をしてみたり。そして、それら宇宙人と交わって、人類はもっと平和で、知的で、高度な文明の元で暮らしていたと。
ファンタジーだとしても、そんなユートピアが本当にあったのだとしたら、それこそ、“アセンションしている”世界だったのではなかろうか。だとしたら、ただのオカルトと片付けるには、もったいない。アセンションという概念は、究極の平和 * であり目指すべきディスティネイションであり、かつ、非常にロマンチックすぎる言葉であるのだ。

そういうわけで、今展で私の“アセンション”とは、高次元な存在、高度な技術、高いエネルギーを保持していたであろう生命体、強いパワーを秘めアセンションに近づくための図形または場所、建造物という解釈で、チベットの僧侶たちがマンダラを砂をつかって描くように、わたしにとっての砂である花モチーフを使って、パロディ化させていただいた。

「ださい」とか、「うそでしょ」とか、「ばっかじゃないの!」と嫌厭されがちなオカルティックな題材を、一見pretty化すること(花だらけで可愛らしくすることなど)で、観る人の脳裏に刷り込ませ「Let’s アセンション!」なトリガーとならないかなぁ、という想いをこめて。

 

 

D[di:]

 

 

*1 フォトンベルト説は、フォトン(光の量子)のベルト(輪)が地球を覆い、天変地異を起こし、霊的な変化をもたらすと主張する(“意識のシフト”, “グレート・シフト,” “シフト・オブ・ザ・エイジ”, “ゼロ・ポイント”, “アセンション・ポイント”などと呼ばれる)。また、フォトンベルトという発想は、地球外生命体や2012年人類滅亡説などの多くの主張と結びついている。(Wikipediaより)
*2 実際にアセンションするには、自身の波動を高め愛情に満ちあふれた状態である必要があり、自我意識の高すぎる人や邪悪な心をもっている人々は生き残れないという説がある。