TAV Viewing Show「REVERSI」[ 5/8 (Fri) – 5/23 (Sat) ]

TAV GALLERY にて、5月8日 (金) – 5月23日 (土) まで、TAV Viewing Show「REVERSI」を開催いたします。
参加作家は、齋藤帆奈、鈴木操、トモトシ、林千歩、渡辺志桜里の5名。
それぞれ、異なるアイデンティティから活動をはじめ、メディアもスタイルもばらばらの作家たちです。しかし、今現在において規定されている芸術という枠組みそのものを疑い、芸術とは何かではなく、芸術で何を語り得るのか、という問題と対峙し、常に社会的な課題を含めて作品を制作しつづけており、この先のアートヒストリーにおいて、特異点と呼ばれることになるアーティストたちだと確信しています。
かつて、文学界に現れ、代表作に『変身』(1915年) を持つ、フランツ・カフカは、その新しい不条理な世界観から “カフカ的” という言いまわしが浸透するほど、現在に至るまで、後世にさまざまな影響を与えつづけています。しかしより重要なのは、カフカと同時代を生きた、ホルヘ・ルイス・ボルヘスが指摘するように、カフカ本人よりも以前に、“カフカ的” と称することのできる先駆者がいたこと、そして、現代の作家たちがカフカに影響を受けた視点によってカフカ以前の作品を再解釈するという迂回的な影響力を持つことにあります。つまりは、カフカは、新たな表現により、新しい未来をつくったと同時に、過去の発掘・再考のきっかけとなり、新しい過去を生み出したと言えるのです。
これを近年のアートシーンに重ね合わせることは難しくありません。今現在、思想などの文化のみならず、政治や経済といった社会、テクノロジーや、ジェンダーの問題から、そして、環境問題に資本主義まで、直面している問題を踏まえ、芸術の存在意義は大幅な再考を迫られているからです。
つまりは、今現在、アートシーンでは、新しい未来と、新しい過去が、同時につくられているのです。新しい未来は、新しい過去をつくる。その特異点と呼ばれることになるアーティストたちが本展の参加作家たちです。本展は、アートヒストリーの新しい未来であり、アートヒストリーの新しい過去への契機を示します──。
西田編集長
開催概要
名称 : TAV Viewing Show「REVERSI」
会期 : 2026年5月8日 (金) – 5月23日 (土)
会場 : TAV GALLERY(東京都港区西麻布2-7-5 ハウス西麻布4F)[080-1231-1112]
時間 : 13:00 – 19:00
休廊 : 日曜、 月曜
出展作家 : 齋藤帆奈、鈴木操、トモトシ、林千歩、渡辺志桜里
企画 : TAV GALLERY
レセプションパーティー : 2026年5月8日 (金) 19:00 – 21:00
出展作家プロフィール
齋藤帆奈 SAITO Hanna
1988年生。現代美術作家。多摩美術大学工芸学科ガラスコース卒業後、metaPhorest (biological/biomedia art platform) に参加し、生命素材を用いる表現実践を開始する。現在、東京大学大学院学際情報学府博士課程 (筧康明研究室) に在籍し、2025年度より東洋大学総合情報学部助教。理化学ガラスの制作技法を活かしたガラス造形や、生物・有機物・画像解析を用いた作品制作と研究を行ってきた。近年では、野生種を含む複数種の真正粘菌を採取・培養し、制作・実験に用いている。主なテーマは、自然/社会や自己/他者の境界を再考しつつ、創造や制作行為を、主体が素材に形を与えるものではなく、複数の系が相互に干渉し、同期/非同期をともないながら立ち現れるプロセスとして捉え直すこと。主な展覧会に「プラネタリー・ディプロマシーを想像する」(在大阪スイス領事館, 2026) 、「metaPhorest Biome -生物学実験室におけるアートの生態系 -」(WHITEHOUSE, 2024) 、「科学と芸術の丘 –Matsudo International Science Art Festival 2023」(戸定邸) 、「MIND TRAIL 奥大和 心のなかの美術館」(奈良県・下北山村, 2023) 、「Sense Island -感覚の島-暗闇の美術島 2022」(神奈川県・猿島) 、「Festival of Unconventional Computing, Protocognition, Arts and Sounds」(The Island, Bristol, UK) 、「オープン・スペース 2021 ニュー・フラットランド」(ICC) 、「生態系へのジャックイン展」(日本庭園・見浜園, 2021) 、「WRO メディア・アートフェスティバル」(ポーランド・ヴロツワフ, 2019) 、「茨城県北芸術祭 2016」(茨城県常陸太田市) 、「マテリアライジング展2 情報と物質とそのあいだ」(東京藝術大学陳列館, 2014) 、「オープン・スペース 2013 生命美学オープンラボ」(ICC) など。
https://www.hannasaito.com/
https://www.instagram.com/hannasaito/

齋藤帆奈 SAITO Hanna《食べられた色 / aten Colors》2020, 粘菌, 食用色素, オートミール, 寒天培地, アクリル, H15 × W15 × D5 cm
鈴木操 SUZUKI Sou
1986年埼玉県生まれ。彫刻家・文筆家。文化服装学院を卒業後、ベルギーへ渡る。帰国後、コンテンポラリーダンスや現代演劇の衣裳デザインアトリエに勤務。その傍ら彫刻制作を開始した。主に彫刻が持つ複雑な歴史と批評性を現代的な観点から問い直し、物質と時間の関りを探る作品を手がけている。 2019年から、彫刻とテキストの関係性を扱った「彫刻書記展」や、ファッションとアートを並置させた「the attitude of post-indaustrial garments」など、展覧会のキュレーションも展開している。また2022年から、ファッションやアートなどを取り扱うウェブメディア「FASHIONSNAP.COM」にて連載。その他「ARTnews JAPAN」など様々なメディアで文筆活動を行っている。主な展覧会に「周辺・開発・状況 -現代美術の事情と地勢-」(下瀬美術館, 2025) 、「fortunes」(個展, TAV GALLERY, 2023) 、「open the door,」(個展, roomF準備室, 2018) など。
https://www.instagram.com/_sou_suzuki__/

鈴木操 SUZUKI Sou《Untitled (Non-homogeneous arrangement) 》シリーズ (2017-2018)
トモトシ tomotosi
1983年山口県生まれ。大学を卒業後数年にわたって建築設計に携わる。2014 年より展覧会での発表を開始。新しい都市の使い方をテーマに制作している。2020年よりトモ都市美術館を運営。主な展覧会に「Asia, The Apparatus」(ACC, 韓国・光州, 2026) 、「Tomotosi: Prácticias invisibles de ciudadanía」(個展, ALCULTURA (Box Levante), スペイン, 2025) 、「レイクサイドスペシフィック!—夏休みの美術館観察」(市原湖畔美術館, 2024) 、「絶望的遅延計画」(個展, TAV GALLERY, 2023) 、「ATAMI ART GRANT 2023」(熱海市街) 、「黄金町バザール2021」(横浜) 、「水の波紋展2021」(ワタリウム美術館 オン・サンデーズほか) 、「有酸素ナンパ」(個展, 埼玉県立近代美術館, 2019) 、「あいちトリエンナーレ2019」(豊田市) など。
https://tomotosi.com/
https://www.instagram.com/tomotossi/

トモトシ tomotosi《隣人は今日も、ドアがたたかれるのを待っている。/ Meeting People Is Easy.》Still from a color video (Courtesy of the Artist)
林千歩 HAYASHI Chiho
1988年東京都⽣まれ。2018年東京藝術大学大学院美術研究科博士号取得。神話的な意味での「変身」をテーマに手作り感あふれる、主に映像作品を制作。一見エロティックでグロテスクな作品群だが、多角的かつ俯瞰した視点からのユーモアも併せ持つ作風となっている。主な展覧会に「六本木アートナイト2023」(六本木) 、「エイリアンズ・ノーマル:惑星都市の進化」(ゲーテ・インスティトゥート東京,「Stilllive: Performance Art Summit Tokyo 2022」内) 、「Try the Video-Drawing」(共同企画, TAV GALLERY, 2021) 、「PUBLIC DEVICE -彫刻の象徴性と恒久性-」(東京藝術大学大学美術館陳列館, 2020) 、「Festival Seni Media Internasional 2019」(インドネシア国立美術館, ジャカルタ・インドネシア) 、「六本木クロッシング2019展:つないでみる」(森美術館) 、「Transitional」(Organized as part of the 森美術館, “Asia Now” Exhibition, パリ・フランス, 2018) 、「アジアン・アート・ビエンナーレ・バングラデシュ2016」(バングラデシュ・シルパカラ・アカデミー, ダッカ・バングラデシュ) 、「瀬⼾内国際芸術祭2013」(小豆島・香川) など。
https://www.instagram.com/hayashi_chiho/

林千歩 HAYASHI Chiho《こんにちゎ、べいびーちゃん》2013, Video 4:01 min
渡辺志桜里 WATANABE Shiori
1984年東京都生まれ。2015年に東京藝術大学美術学部彫刻科を卒業後、17年に同大学大学院を修了。全体性を主軸に、個々が集合した現象と、その個に携わる⾝体の境界に焦点を当てて制作を行う。⽣態系の場において個々の種に潜む資本主義やグローバリズムといった問題を、⽣殖やフェミニズムといったテーマと結びつけ、⼈間社会を含むエコロジーのあり⽅を模索する。主な展示に「Threading Inwards」(Centre of Heritage Art and Textile CHAT, 香港, 2026) 、「めぐり日本のくらしと水」(JAPAN HOUSE São Paulom, ブラジル, 2025-26) 、「おほやけ / Filial 1 hybrid」(個展, Yu Harada, 2025) 、「Where Are We Landing」(JWD Art Space, バンコク, 2025) 、「ニュー・ユートピアわたしたちがつくる新しい生態系」(弘前れんが倉庫美術館, 2025) 、「36th Bienal de São Paulo: INVOCATION #4: Tokyo」(草月会館/東京大学駒場キャンパス, 2025) 、「Disruptive Landscapes: Contemporary Art from Japan」(Christchurch Art Gallery Te Puna o Waiwhetū, ニュージーランド, 2025) 、「宿 / Syuku」(資生堂ギャラリー, 2024) 、「BLUE」(SACS渋谷, 2024) 。「とうとうたらりたらりらたらりあがりららりとう」(新宿歌舞伎町能舞台, 2022) ではキュレーションを担当。
https://shiori-watanabe.com/
https://www.instagram.com/shiori6876/

渡辺志桜里 WATANABE Shiori《sans room》2025, mixed media (「宿 / Syuku」展示風景) 撮影:加藤健
