小林あずさ 個展「ダブルスライド」[ 9/14 (fri) – 10/7 (sun) ]
「手品と脱線」(2018年) <1600×1600mm>アクリル絵具/鉛筆/ペン/綿布/白亜地/木製パネル
小林あずさは1988年生まれ、現在東京藝術大学絵画専攻油画博士後期課程在籍の作家であり、英国から帰国後の約2年ぶりの本格的な個展となる。
小林が描く平面作品は主に髪の毛や紐などの連続性を象徴する紐状のモチーフが多用されており、幻視的な配色と観念的なモチーフの混在によって、一つの暗号を作り出している。
かつて小林は20代前半に東本願寺で観たという明治時代に寺の再建のために使用された人毛と麻を撚り合わせた69メートルに及ぶ「毛綱」から影響を受け、神道や仏教が人為的な聖域を作り出すように、自身の作品を鑑賞者と共に作り上げる聖域として見立てている。
本展覧会では、世界で起こる出来事の入り口を「滑り台」に見立たて、選択の可能性と不確実性を、迷路やあみだくじなどの遊戯性のあるモチーフを使用した作品が出展される。
TAV GALLERY STAFF
開催概要
名称 : ダブルスライド
会期 : 2018年9月14日 (金) – 10月7日 (日)
会場 : TAV GALLERY (東京都杉並区阿佐谷北1-31-2) [03-3330-6881]
時間 : 13:00 – 20:00
休廊 : 水曜、木曜
Opening Party : 9月14日 (金) 18:00 – 20:00
参加作家 : 小林あずさ
アーティストプロフィール
小林あずさ / Azusa Kobayashi
1988年 横浜市出身
2013年 東京藝術大学 美術学部 先端芸術表現科 卒業
2015年 東京藝術大学 大学院 絵画専攻 油画 修了
2016年 ロイヤルアカデミーオブアーツ(英国) 交換留学
2017年 現在 東京藝術大学 大学院 絵画専攻 油画 博士後期課程 在籍
・主な活動歴
2017年 「ダブルスライド」 (TAV GALLERY)
2017年 「ArtsinBunkacho〜トキメキが爆発だ〜」 (文化庁パブリックスペース)
2017年 TURNERAWARD2016 (ターナー色彩株式会社)
2017年 アクリルガッシュビエンナーレ (ターナー色彩株式会社)
2015年 「小林あずさ展」 (GalleryQ)
2015年 「カスケード」 (Gallery blanka)
2015年 アートアワードトーキョー丸の内 (丸ビル)
2015年 第63回 東京藝術大学 卒業・修了 作品展 (東京芸術大学)
2015年 GOLDEN COMPETITION 2014 (ターナー色彩株式会社)
2015年 TURNER AWARD 2014 (ターナー色彩株式会社)
2014年 個展「あざなえる縄」(Gallery Barco)
2014年 個展「泉への移動」 (B-gallery)
2014年 シブカル祭。 (パルコミュージアム)
2014年 Full bloom 2014 (Gallery Q)
2014年 ART APART FAIR (PARKROYAL on pickering)(Singapore)
2014年 TURNERAWARD (ターナー色彩株式会社)
2013年 TWS-EMERGING 「ハニカムユートピアへようこそ」 (トーキョーワンダーサイト本郷)
2013年 第61回 東京藝術大学 卒業・修了作品展 (東京都美術館)
2013年 The 4th LaLaport Ofice Art Exhibition(ららぽーとマネジメント株式会社)
2012年 ワンダーウォール2012(東京都現代美術館)
2012年 ワンダーシード2012 (ワンダーサイト渋谷)
2011年 個展「踊り場 あるいは罠」(GALLERYb.TOKYO)
2011年 個展「ドローイング・ラボ」(op.302)
2010年 wonder seeds 2010 (ワンダーサイト渋谷)
2010年 via art 2010 (シンワアートミュージアム)
2009年 取手アートプロジェクト(台宿ポット)
2009年 桐生再演15(群馬県桐生市)
・受賞歴など
2016年 TURNERAWARD2016 優秀賞
2016年 アクリルガッシュビエンナーレ 佳作
2015年 アートアワードトーキョー丸の内 審査員賞 高橋明也賞
2014年 KAKEHASHIproject「北米地域との青少年交流事業」
2014年 短期派遣プログラム(米国) <国際交流基金>
2014年 神山財団 第一期 奨学生 <神山財団>
2014年 TURNER AWARD(優秀賞) <ターナー色彩株式会社>
2014年 GOLDEN COMPETITION(優秀賞) <ターナー色彩株式会社>
2013年 藝大アートプラザ大賞 (優秀賞) <東京藝術大学>
2013年 TURNER AWARD (優秀賞) <ターナー色彩株式会社>
ステートメント
世界はリニアとパラレルのダブルスライドで構築されている。
ダブルスライドとは西洋諸国の公園などで、小さな子供が2人で同時に滑る事が出来る滑り台を意味する。
これから世界で起こる出来事には無限の可能性があり、未来は無数に分岐している。しかし、実際に起きる出来事は一つであり、現実は一つしか存在しない。
私たちはこのパラレルな可能性の世界にいるが、実際はリニアで単線的な一つの滑り台を選び降りている。
私は現在に至るまで、紐状の存在に強いこだわりをもって制作してきた。
髪の毛や紐など、一連の流れを持つモチーフは、連続性を象徴するものであり、結び目や結節点などは、異なる要素が結びつき合う事を表している。
叶うことのなかったパラレル(平行的)な可能性の分岐線と、選択されたリニア(単線的)な世界、この二つの滑り台について、遊戯性のあるモチーフを通じて表現したい。
小林あずさ