山縣瑠衣 個展「Measure your pixel 」[ 9/15 (Fri) – 10/1 (Sun) ]
山縣瑠衣は、ある種の虚構である「地図」──すなわち、俯瞰的な視点から平面上に表現された世界──に着目し、デジタル時代の「風景」にアプローチする作家である。現代における視覚体験の「遠隔性」や「表層性」をテーマとした昨年5月のグループ展「Vantage Point」に続く今回の個展では、とくに航空写真や衛星画像によるマッピング技術の「地上解像度」に着想を得た作品を発表する。 デジタル画像の「地図」は、上空から見た世界の写し絵というよりは、パースペクティブによる歪みを解消するため、いくつもの写真を接合した「モザイク画」である。そこでは地形が本来もっている丸みや凹凸が捨象されるだけでなく、その場所に立っている私たちの存在までもが消去されている。というのも、空撮画像の精度は、GSD(ground sample distance)という、となり合うピクセル間の地上における距離によって表されるが、画素とは、それ以上、分解ないし分析できない単位であるため、およそ
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