「アルカイの空 – Sky of the beginning 」[ 3/11 (Sat) – 4/2 (Sun) ]
神話は空に帰属する。中心のないこの国においては、場所や正統性を持った人物などが、何かからの還元先になりえることはない。もはや、木々の枯葉が、土に落ちることなく、空に雲散していくような──不可解な世界線に立たされている。当展を構想するにあたって、居原田遥氏の活動と『中空構造日本の深層』(1982)の著者、河合隼雄に対し心から感謝を述べたい。 疫病の時代に実利的であったはずの医療用マスクは、もはや顔を覆い隠す理由を人々に忘却させ、日本の特異な民族性を象徴する“マスク”となった。近年、キュレーターの居原田遥による「Masking /Unmasking Death 死をマスクする/仮面を剥がす」展(2022)では、ミャンマーで起きたクーデターの犠牲者を紙のマスクで模ったアーティスト・カミズによる100を越える作品が出品されるなど、不可知な生と死の領域をマスクによって線引きを行う先鋭的な企画があった。この話から地続きに思い浮かぶのは、渋谷東急のMagnetで開催された「
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