菅原玄奨 個展「The Common Call」[ 12/20 (Fri) – 1/18 (Sat) ]


 

 

この度TAV GALLERYでは、彫刻家・菅原玄奨(1993年東京都生まれ、2018年東京造形大学大学院美術研究科修了)の約8年ぶりとなる個展『The Common Call』を開催いたします。

菅原はデビュー以来「テクスチャーと触覚性」をテーマに、デジタル時代の匿名性と身体性の緩衝地点を人体彫刻の制作を通して探求してきました。本展に出品される新作では、従来の匿名的な人物像から「特定の人物像」への移行が見られ、スタイリストやブランドとの連携を通じた新たな表現の模索がなされています。

本展には、二体の塑造作品に加え、『フリスビー』のレディメイドの作品が壁に設置されています。フリスビーは、過去作『A MAN 』(2018)で用いられたコカ・コーラや、斑点が隠され、固有性を失った『dalmatian 』(2018)などの地続きにあたる表現でありながら、個展タイトル「The Common Call」に関するコンセプトを包摂しています。

フリスビーは19世紀末、アメリカのコネチカット州にあるフリスビーパイ者(Frisbie Pie Company)が提供していたパイの缶が遊び道具として使われたのをきっかけに、1950年代に Whan-O 社が「フリスビー」として商法登録。広く普及したのちにフリスビーを用いた競技「アルティメット・フリスビー」が誕生しました。菅原はアルティメットフリスビーにおけるプレイヤー自身が反則やライン外に出たかどうかを自己申告する「セルフジャッジ」に於けるルールや、相手の位置や呼吸を合わせてラリーを続けていくといった運動の性格に倣い、同時代に生きるスタイリストやファッションモデルとの協働を通して、コレクティブとして制作を試みました。

個展タイトルの『The Common Call』には”共通の呼びかけ”といった意味があり、普遍性や現代性を、共通意志のなかから設計を行いました。マテリアルの更新を通じて鑑賞者の視点を揺るがす知覚体験は、具象彫刻の新たな可能性を追求しています。本展には、近年活動の幅を広げているスタイリストの庄司洋介、衣装はアウトドア総合ブランド「mont-bell」が協力しています。個と共同の交点を模索した菅原玄奨の新たな試み『The Common Call』にご期待ください。

 

 

佐藤栄祐 TAV GALLERY

 


 

名称:菅原玄奨 個展「The Common Call」
会期:2024年12月20日(金)- 12月25日(水)、2025年1月7日(火)- 1月18日(土)
※12月26日(火)- 2025年1月6日(月)は休廊
会場:TAV GALLERY(東京都港区西麻布2-7-5 ハウス西麻布4F)[080-1231-1112]
時間:13:00 – 20:00
休廊:日、月

スタイリスト:庄司洋介
衣装提供 : mont-bell
モデル : 谷口蘭、MIOKO
照明 : 伊藤啓太

 

主催 : 一般社団法人TAV


 

菅原 玄奨 Gensho Sugahara

1993年 東京都生まれ
2016年 東京造形大学造形学部美術学科彫刻専攻領域 卒業
2018年 東京造形大学大学院造形研究科造形専攻修士課程美術研究領域 修了

主な個展
2024年 「湿った壁」 EUKARYOTE/東京
2021年 「Superficial Sensation」 FOMO/台北
2020年 「anonym」 EUKARYOTE/東京
2016年 「invisible」 TAV GALLERY/東京

主なグループ展
2024年 「SHARE・YOUR・BREAD #2」 TAV GALLERY/東京
2024年 「SHARE・YOUR・BREAD #1」 アートかビーフンか白厨/東京
2024年 「Chimeric Sculpture Expression
」 AKI GALLERY/台北
2024年 「2024」 Moosey Art/ロンドン
2023年 「遊歩する分人」 GASBON METABOLISM/山梨
2023年 「いつも 話すように」 照恩寺/東京
2022年 「遊歩する分人」 MA2 GALLERY/東京
2022年 「AGAIN-ST ルーツ/ツール 彫刻の虚材と教材」 武蔵野美術大学美術館/東京
2022年 「The Fairest Fairs #1」 TAV GALLERY/東京
2022年 「Have you ever seen a ghost?」 Tokyo International Gallery/東京
2021年 「When The Distant Stars Shine」 TX Huaihai/上海
2021年 「ポリフォニックなプロセス+プレッシャー」 武蔵野美術大学 はしっこ/東京
2021年 「空の器-An Empty Vessel-」 MA2 GALLERY/東京
2020年 「appropriate distance」 銀座 蔦屋書店 アートウォール•ギャラリー/東京
2020年 「input /output」 銀座 蔦屋書店 アトリウム/東京
2019年 「MID CORE」 TAV GALLERY/東京
2019年 「Busan Annual Market of Art 2019」 BEXCO/釜山
2019年 「The Metamorphosis」 EUKARYOTE/東京
2019年 「CVJ Workplace Art Project」 ヤフー株式会社/東京
2018年 「YOUNG ARTIST EXHIBITION 2018」 EUKARYOTE/東京
2018年 「Future Artist Tokyo-スイッチルーム-」 東京国際フォーラム/東京
2017年 「群馬青年ビエンナーレ 2017」 群馬県立近代美術館/群馬

主なレジデンス
2018年 「CVJ Workplace Art Project」 ヤフー株式会社/東京

主な受賞歴
2017年 「群馬青年ビエンナーレ 2017」 奨励賞

 

web : https://www.instagram.com/gensho_sugahara/

 


 

 

Photo by : Soichiro Ishida