ナルコ 個展「静粛的雕像」[ 11/20 (fri) – 12/6 (sun) ]


 

 

この度、TAV GALLERYでは、アーティスト、ナルコによる個展「静粛的雕像 (せいしゅくのちょうぞう) 」を開催いたします。

ナルコは、90年代生まれ、東京都出身。歴史上における阻害された土地やモニュメントのリサーチから作品を制作し、これまでに、「前線」(ナオナカムラ、 2015)、「す地平せん」(野方の空白、 2017)、「第20回岡本太郎現代芸術賞 (TARO賞) 展」(川崎市岡本太郎美術館、 2017) などで発表。また、2016年より台湾を中心としたダークツーリズムの研究をはじめ、ポストコロニアルな歴史に身体性をもって言及する彫刻やインスタレーション作品を制作してきました。

本展は、この台湾におけるダークツーリズムをテーマとして、初代中華民国総統、国民党の元指導者である蒋介石 (1887-1975年) の彫像=蒋介石像をモチーフとした彫像群が発表されます。蒋介石像は、民主化の進んだ現在の台湾に於いては過去の権威主義の象徴とされており、2017年に、台湾政府により可決された「移行期正義促進条例」という過去の権威主義的な統治の下で行われた人権侵害や、その結果の真相究明などを目指す法案によって撤去が求められています。しかしながら台湾国内では独裁体制を敷いたことによる反発の声がある一方で軍事的評価の声もあり、蒋介石像の撤去を巡る論争は未だ絶えません。

こうした状況に対してナルコは、実際に現地に赴き、この蒋介石像の制作者たちにインタビューを行いました。そこで語られたのは、彫刻のあるべき役割とは何か、という問いであり、ナルコはこの問いへの応答として、今の時代に即した蒋介石像を制作することを思い定めます。ナルコが本展で発表する彫像群はシリコン素材で作られており、鑑賞者が作品に触れると電気信号を発して一瞬脈打ちます。「瀕死、または生きているかのような状態を目指した」とナルコは語り、従来の蒋介石像が、Massive (重圧) なマテリアルによって男性性をイメージさせていたのに対して、ナルコは、マテリアルをSoft (柔らかい) なシリコンへと変容させることで、記号的に扱われるイメージとしての女性性に、迫害される歴史やダークツーリズムのコンテクストを重ね、アイロニカルに表現しています。

またナルコは台湾におけるダークツーリズムの取材・調査を行う上で、かつて半世紀もの間日本の植民地であった台湾を学ぶ態度として「日本人である、という負い目が常に姿勢を正すように背後にぴったりと寄り添いながらみた台湾の姿」と語っており、この意味合いを、”私” 個人の視点の拡大として “1人の日本人” という主語を用いることにより主張しています。“1人の日本人” として台湾のダークツーリズムに興味を持ち、およそ4年間にわたるリサーチを経て、自身初の本格的な個展へと至った、ナルコによる個展「静粛的彫像」に是非ご期待ください。

 

佐藤栄祐

 

 

開催概要

 

名称 : ナルコ 個展「静粛的雕像」
会期 : 2020年11月20日(金)- 12月6日(日)
会場 : TAV GALLERY(東京都杉並区阿佐谷北1-31-2)[03-3330-6881]
時間 : 13:00 – 20:00
休廊 : 水曜、木曜

レセプションパーティ : 11月20日 (金) 18:00 – 20:00

 

 

アーティストプロフィール

 

ナルコ / Narco

90年代生まれ、東京都出身
narcoweb.com

 

[主な展示]

2017「す地平せん」(野方の空白、東京)
2016「BOYS LOVE」(新宿眼科画廊、東京)
2015「前線」(ナオナカムラ、東京)
2014「キャラクラッシュ!」(カオスラウンジアトリエ、東京)

[主な受賞]

2017「第20回岡本太郎現代芸術賞展」(岡本太郎美術館、東京)